想い綴り







やべ








そう思って慌てて顔を上げると


教師の視線は、俺じゃなく











「芹沢!!聞いてんのか!?」










窓際の後ろの席に向けられていた。











「そんっなに俺の授業がつまんねぇか」








ちょっと呆れ顔の教師の声にゆっくり振り返ると









「…別に」









めんどくさそうにため息つく芹沢の姿









「なんだ、その態度はっ!!」




「…別に」













あ~あ
あんなん…適当に頭下げときゃいいのに







いきり立ってる教師を目の前にして、変わらずに飄々とした顔。







芹沢 つぐみ…







ある意味
このクラスの注目株。






同じクラスの女子と連むわけでもなく


休み時間でも1人で本読んでるような奴







話しかけてもたいてい無反応


見た目キレイだって、最初は男連中も騒いでたけど、

今じゃ誰もよりつかない





芹沢 つぐみはそんな女











「そんなにつまんねぇなら出てっていいぞ」









教師に対しても、そんな感じで

結局いつも









「…じゃあ、早退します」








半分キレ顔の教師を前にして

悪びれる様子もなく、涼しい顔で教室の扉を閉めていった。









「まぁた、アイツかよ~」


「本当、なに考えてっかわかんねぇよな」











俺もだけど
クラスメイトの中の印象はたぶん…










『変な女』










もったいねぇよな

あんなにきれいなのに







まあ、別に…
俺には関係ねぇんだけどさ







< 52 / 130 >

この作品をシェア

pagetop