想い綴り
…すげぇ
言葉が…出てこない
全くの通りすがりの人間までが、興奮気味に手を叩いて
全てがひとつにでもなったような…そんな光景。
“圧倒する”
って
きっと…こう言うことをいうんだろう。
「ね~ちゃん、すげぇなっ!!」
「また、聴かせてね?」
女の子が求めてもいないのに、ばらまかれるチップ。
「ありがとうございました~っ」
終わりと同時に、日常の風景に溶けていくギャラリーの中で、
ただ動くことさえ忘れたように立ち尽くしてた俺。
だって…
あんなん…今まで聴いた事ねぇ…
不意に目のあった彼女がフッと柔らかく
「…そんなに、良かった?♪」
ちょっと得意気に笑った。
良かった…なんてもんじゃないだろ
今時、流行りのアーティストでさえ、
あんな風に…
周りを引き込むとこなんて見た事ねぇぞ!?