想い綴り







一言も自分の名前なんて言ってねぇよ!?







サングラスで顔は見えないけど…

知り合いになんて、路上ライブするやつなんて聞いたことねぇ









「なんだっけ?優しくて、ノリよくて?なかなか落ちない…だっけ?倉田 朔也くん♪」










なんだ!?
なんでコイツ…

俺のこと知ってんの!?










ケータイ片手に内心パニックな俺。

そんな俺に口元を緩めると、









「ま~だ、分かんない?意外に冷たいなあ。クラスメイトの顔くらい覚えとこうよ」










クスクス笑いながら、大きなサングラスを外した。


ただポカンとしてる俺の目の前に現れた女の子は…











「せっ、芹沢ぁ!?」











クラスの大注目株の、

あの芹沢 つぐみ。




あの、何話しかけても無反応で、無関心で無表情の…










「そんなに驚くこと~?」


「だっ、だってお前っ!?」










クラスで見せてる顔と全然違うじゃん!!



人なつこそうに、ニコニコして…

それがあの芹沢だなんて…

誰も気がつかねぇよ!!











「…意外…」










『絶句』


まさにその状況。





でも、そんな空気を壊したのは











「あたしも~♪まさか、あの倉田君があんなポエム書いてるなんてね~」










まるでキツネの尻尾でも捕まえたかのように、ニヤニヤ笑うそんな顔。




ポエム…


って
!!!










「お前っ!!絶対、誰にもしゃべんじゃね~ぞ!?」







バラされたら…



明日から学校いけね~じゃん!!





< 59 / 130 >

この作品をシェア

pagetop