想い綴り
俺
一言も自分の名前なんて言ってねぇよ!?
サングラスで顔は見えないけど…
知り合いになんて、路上ライブするやつなんて聞いたことねぇ
「なんだっけ?優しくて、ノリよくて?なかなか落ちない…だっけ?倉田 朔也くん♪」
なんだ!?
なんでコイツ…
俺のこと知ってんの!?
ケータイ片手に内心パニックな俺。
そんな俺に口元を緩めると、
「ま~だ、分かんない?意外に冷たいなあ。クラスメイトの顔くらい覚えとこうよ」
クスクス笑いながら、大きなサングラスを外した。
ただポカンとしてる俺の目の前に現れた女の子は…
「せっ、芹沢ぁ!?」
クラスの大注目株の、
あの芹沢 つぐみ。
あの、何話しかけても無反応で、無関心で無表情の…
「そんなに驚くこと~?」
「だっ、だってお前っ!?」
クラスで見せてる顔と全然違うじゃん!!
人なつこそうに、ニコニコして…
それがあの芹沢だなんて…
誰も気がつかねぇよ!!
「…意外…」
『絶句』
まさにその状況。
でも、そんな空気を壊したのは
「あたしも~♪まさか、あの倉田君があんなポエム書いてるなんてね~」
まるでキツネの尻尾でも捕まえたかのように、ニヤニヤ笑うそんな顔。
ポエム…
って
!!!
「お前っ!!絶対、誰にもしゃべんじゃね~ぞ!?」
バラされたら…
明日から学校いけね~じゃん!!