想い綴り






昼の12時

寒空の屋上





待ち合わせしてる訳じゃないのに

時間になると、慌てるように階段を駆け上る自分。



俺のいつもの場所。

そんな場所が
日に日に待ち遠しい特別な場所になっていくのに

時間なんてかからなかった。












「…大好きで 大好きで

それ以外思いつかないほどキミが大好きで

そばにいてほしくて
そばにいたくて…っ…

キミを見るたび思うんだ

大好き、
この言葉は君に捧げる恋のうた…っ……っ

…ぶふっ…」










「…芹沢。笑うならちゃんと笑えっ!!」


「ごめっ…ぶはっ…あはははっ!!大好きだらけ~っ!!」











…ちきしょう~っ///

てめーが見たいって言ったくせに、腹いっぱい笑いやがって







相変わらず
教室に戻ると芹沢は

俺とも目を合わさず、口を閉ざしたまま空ばかり眺めてたけど


でも
ここでの芹沢は









「あはは、ごめんて、あんまりにもストレートだから…いい詩だったよ(笑)」



「てめー、フォローになってねぇっ!!も~、絶っ対作んねえぞ!!」



「ごめんて~っ」










ここでは、教室で見せない表情がいっぱいだった。


でも…







誰知らない芹沢
俺しか見たことないいろんな一面…


それを知る度に胸の奥がざわついてた。











「でも…よっぽど好きなんだね、誰のこと思って作ったの?」



「………もぅ、昼休み終わるし戻るかな」



「あっ、ごまかしたっ!!ねぇっ、倉田くんてば~」











…言えるかよ




頭の中、お前しか浮かばなかったなんて





でも


ずっとそばで見ていたい

そう思うのは








やっぱり…?



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