想い綴り
『‐…ねぇ、恋の詩作って?…‐』
たぶん…
ただの興味本位で言った言葉…
でも
「…っ、だ~っ!!まとまんねぇっ」
帰って来てからずっと
ケータイ片手に
机とベッドをうろうろしてる俺。
芹沢の顔を思い浮かべるたびに
胸に宿る気持ちを自覚した途端
あふれてくるのは、いつもと違う…甘いニュアンスの言葉。
いつもなら、考えなくても言葉をうまく並べられるのに
なんて言うか…
俺の詩ををあいつが見るんだと思うと…
こんな…アイツのことばっかの詩なんて
「……告るのとおんなじことじゃね?」
頭の中を行き来するのは
見せたいと
見せたくない
俺の詩…
どんなに言葉の中に気持ちを隠しても
きっと
アイツならすぐにわかっちまう。
「…ったく…めんどくせぇっての」
でも
…見てみたかった。
俺の詩を…
気持ちのこもった恋の詩を受け取った時
芹沢がどんな顔するのか。
どんなメロディに乗せて歌うのかを
すぐそばで
見てみたくなった。
だから…
「…笑い飛ばしやがったらもう作んね~からな」
目を閉じて
まぶたの裏に映る姿に
ゆっくりと言葉を落とした。