想い綴り








『‐…ねぇ、恋の詩作って?…‐』










たぶん…
ただの興味本位で言った言葉…


でも









「…っ、だ~っ!!まとまんねぇっ」










帰って来てからずっと

ケータイ片手に
机とベッドをうろうろしてる俺。






芹沢の顔を思い浮かべるたびに

胸に宿る気持ちを自覚した途端



あふれてくるのは、いつもと違う…甘いニュアンスの言葉。






いつもなら、考えなくても言葉をうまく並べられるのに



なんて言うか…




俺の詩ををあいつが見るんだと思うと…

こんな…アイツのことばっかの詩なんて









「……告るのとおんなじことじゃね?」







頭の中を行き来するのは



見せたいと
見せたくない









俺の詩…

どんなに言葉の中に気持ちを隠しても

きっと
アイツならすぐにわかっちまう。








「…ったく…めんどくせぇっての」




でも






…見てみたかった。








俺の詩を…
気持ちのこもった恋の詩を受け取った時

芹沢がどんな顔するのか。


どんなメロディに乗せて歌うのかを



すぐそばで
見てみたくなった。



だから…









「…笑い飛ばしやがったらもう作んね~からな」







目を閉じて
まぶたの裏に映る姿に


ゆっくりと言葉を落とした。






< 65 / 130 >

この作品をシェア

pagetop