想い綴り
「ねぇ、朔ぅ?今日さぁ…」
「悪い、また後にして」
あの日から
屋上に芹沢の姿は見られなかった。
謝りたいと…
ただ一言、芹沢に謝りたいと近寄るけど
教室の中の芹沢は、相変わらず目も合わせないあの無表情…
俺の声は全く届かなかった。
「ねぇっ!!なんであんな子ばっかり構うのよっ!!あんな変な子ほっとけばいいじゃない」
…構う理由なんて
そんなのひとつしかないじゃん
「ねぇ、あたし…彼氏と別れるから…だからぁ…」
「…悪い、俺…お前じゃダメなんだよ」
「なっ、なによそれっ!!ムカつくっ!!」
そうなんだ
…誰と一緒にいても
芹沢との時間みたいにはならない
アイツじゃなきゃ…
芹沢じゃなきゃダメなんだ
そんなこと…はじめから分かってたことなのに
…なぁ
もう…
謝らせてもくれねぇの?