想い綴り
結局
あの後…
全学年の授業を中断させた俺を待っていたのは…
補習だの罰掃除だのめんどくさい後処理と
「朔~、またやんねぇの?」
「授業ジャック楽しみにしてるよ~」
毎日のように冷やかすクラスメイトの声にうんざりな毎日。
でも
いつも通りに階段を登って重い扉をあければ
「お勤めご苦労様」
待っているのは、ケータイのブログを覗きながら
俺を迎えてくれる歌姫の笑顔。
あの日からまたここは
俺とコイツの特別な場所
「…あのさ…何気にお前も共犯じゃね?なんで俺だけ…」
「…普段の行いじゃない?」
…相変わらず授業放棄なヤツがいうセリフかよ
教室での芹沢は、
あの歌声にファンが急増だったけど
やっぱり変わらず誰が話しかけても、無反応に無表情
でも
「ねぇ、新しい詩まだ~?」
俺の前では相変わらず別人みたいに笑顔を見せる。
でも?
「あの…芹沢サン。俺、思うんですけどお返事…頂いてないですよね」
「へ?なんの?」
そう。
相変わらずなのは日常だけじゃなくて
「なん…って!!俺、好きだっつったじゃんっ」
「え?な~に?もっかい言って?」
「………もういいよ」
ここでの芹沢は、
変わったようでたいして変わらない距離に膨れる
俺を笑う毎日。
でも
「ねぇ、また恋の詩聞かせて?」
…ほんの少し前よりも赤い顔して幸せそうに笑う。
今に見てろよ?
そっちから好きだって、いいたくなるような詩…聞かせてやるから
だからずっと
俺は言葉を綴ろう
気持ちをこめて
キミに
世界に一人の
大切な君だけに
この恋の詩を…
END