想い綴り






あの日の飲み会。


ざわつく店内の片隅で

浮気してるのに飄々としてる若杉に意地悪言ったあたし。



そんなあたしに返って来たのは。








「これで、葉月も共犯」







そう意地悪げに笑う顔と

ためらいもなく触れてきた若杉からの軽いキス。


ほんの数秒のとんでもない事件。









「なっ!?なにすんのよっ!?」








慌てふためくあたしを横目に




「…別に俺、バラされてもいいけど…俺、面倒くさいの苦手なんだよね。

それにさ、葉月、悪いことって…ちょっとドキドキしない?」







なんて…

まるでおもしろいゲームでも見つけたようにニヤニヤ笑う若杉。







「って、あたし何も関係ないじゃないっ」


「あれ?人の彼氏とキスは、浮気じゃね?」







いや…そうかもしれないけど。

でも。


なんか…
コレっておかしくない!?








「でっでもっ」







遠くで笑う真奈美チャンを気にしながら

内心パニックなあたし。



そんなあたしにトドメを刺したのは。











「…いいじゃん、たまには悪い女になってみたら?」









あたしを見下ろす熱っぽい視線。



ずっと見てるだけで
実るわけもなく終わるはずのあたしの恋。


それを見透かすような悪魔な誘惑…











「それともなに?葉月には俺じゃ不満?」





こんなお誘い










…拒めません



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