想い綴り
結局、あれから。
頭の中では悪いことって分かっていながら、
こうやってメールが入るたび、若杉のとこに足を向けちゃうあたし。
人気の少ない夕暮れ時の図書館の奥
誰も気にかけない、たくさん並ぶ本棚と本棚の隙間の空間。
「おっ♪きたきた」
あたしを待ってる若杉の姿を見つけると
やっぱり…
キュンとなっちゃうんだ。
「…もう…何なのよ、あのメール」
「ん?だって葉月、ムシしたろ?あん時俺、食堂にいたし…気が付かなかったろ」
あたしを腕の中に納めて
目を細めて微笑む若杉の優しい顔
ふくれっ面のあたしの頬に触れる若杉の大きな手。
それは今まで
どうやっても届かない…そんな遠いものだった。
もちろん…
罪悪感もある…
でも…
「…若杉…今日……真奈美チャンは?」
「……お前、口開けばすぐそれな?」
「だって…」
「ちょっとは、俺だけに集中したら?」
あたしに落とされる甘いキス…
優しく響くドキドキの音…
…こんな風に甘い時間
これは悪いこと…
でもずっと…
ずっと
…欲しかった。