想い綴り
なんで…
嘘…つくの?
今まで…
一度だって、そんな嘘ついたことない
なのに…
どうして…
人の波に逆らうように
ただひたすらに足元だけを見つめるあたし。
顔を上げると飛び込んでくる恋人達の笑顔に
こんな夜なのに1人きりの自分がひどく惨めに思えてくるから
ずっと、靴先だけを見てた
今日は
年に一度のイブ…
恋人達が一番楽しみにしてる夜
もしかしたら…
一緒に過ごしたかったのは
あたしだけだったのかな
シグレには
あたしじゃない…
別の人が出来たのかな…
不意に浮かぶ、そんな考えにズキンと痛み出す胸。
好きなのは
そばにいたいのはただ1人だと痛み出す胸に
じんわりと涙がこみ上げてくる。
…やだ
あたし…シグレじゃないとやだ
そばにいてよ
今すぐ抱きしめてよ
そしていつもみたく
「六花が好きだよ。俺にはお前しかいないだろ」
って…
そう言ってよ…
そうしたら
嘘付いたことも
気がついてないフリしてあげるから
だから…
ハラハラと舞い落ちる雪と一緒にこらえてた痛みに涙が溢れ出す。
その場に崩れるように
しゃがみこんだあたしの耳に届いたのは
♪~♪~♪
シグレからの着信音だった。