君色に染まる



高校に入学してもう2週間。
なのに。なのにだよ?


「なんで彼氏できないのー!?」


朝から嘆いてるのは
私、佐々木彩音以外の
何者でもないです。


「いや、彩音が出会いを無駄にしてるだけだと思う」


そう冷ややかな目で
発言したのは、高校で初めて
仲良くなった菊池莉奈。
私とは、真逆で冷静で
お姉さん的存在の女の子。


「だって、だって!!りっちゃん!!おかしいじゃん!」


「何が?」


「私がその人のこと知らないのに相手は私のこと知ってるんだよ?」


「廊下とかで見たんじゃないの?」


「しかも!!一目惚れとかだよ?みんな!おかしいでしょ!みんなからかってるか遊びなんだよ!!」


私がりっちゃんに熱く語っていると、


「そんなんじゃ無理だろ」


< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop