君色に染まる
「ねー、彩音」
「なあに?りっちゃん」
「あれでいいじゃん」
「はい?」
「一ノ瀬が彼氏でいいじゃん」
りっちゃんの一言でみるみる顔が青ざめていくのが分かる。
「りっちゃん」
「うん」
「絶対にない」
「やっぱり?」
ふふふっ。とりっちゃんが笑った。やっぱり、りっちゃんは笑っているほうがいいなあ。
「そういえば彩音」
「ん?」
「相原先輩が彩音のこと放課後第1体育館に来るように言っといてって伝言頼まれてたんだ」
言うの忘れてた。と申し訳なさそうに手を合わせて言うりっちゃん!
「うん!りっちゃんありがとう」
私は、この時体育館に行ってなかったらあの人に出会えなかったのかな?