う・ら・は・ら


突然――。


武哉は動きを止めて密着していた体を離し、じっと私を見つめた。


「な、お前さ。それ本気で言ってる?」


「え?」


「いっつも言ってっけどさ、ホントにやめていいワケ?」


「……」


いきなり尋ねられ、私は言葉に詰まる。


だって本気なワケじゃない。


最中のただのうわ言だ。


そんなの今さら言わなくても、武哉だってわかってるでしょ?


「どうなんだよ、莉央」


だけど武哉は、あくまでも私から言わせようとする。


< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop