ドリームハイ

「は?」


開いた口が塞がらない。

「あたし?」

もう一度確認のために聞いた。

「はい」

嬉しそうに笑う白梅。

こいつ、笑うと可愛い。

何で地味な格好してるんだろう。

もったいない。

「椿さんと放課後、歌の練習がしたいんです!」

「歌の練習?」

「そうです!今月の期末評価で努力クラスの中の誰かが選抜クラスを一人でも抜かせば選抜クラスにはいれるんです!」

期末評価か。

うん。

面白そうじゃないの!

あたしは白梅の手を取り、


「白梅、やってやろうじゃないの!」

と言った。

白梅は一瞬びっくりした顔をしたが、嬉しそうにあたしの手を握り返した。

「それから・・・私のことは奈々って呼んで下さい」

「ああ、うん。あたしの事は里奈って呼んで?」

「里奈ちゃん、放課後駅の前で待ってますね」



これがきっかけで、またあたしの負けず嫌い魂に火がついた。                                           
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