ドリームハイ
「里奈」
「何?」
俺は思い切って聞いてみた。
「お母さんの件、どう思ってんの?」
里奈は視線を反らした。
そして、ちょっと考え込んでから消えそうな声で言った。
「それを聞いてあんたはどうなるの」
下を向いていて表情が見えない。
「いや、どうもならないけど。ただ里奈が普通すぎるからさ」
「・・・普通すぎる?」
俺は頷いた。
「あんたにはそう見えるのね」
「ああ」
里奈が顔を上げないからどんな顔をしてるのか分からない。