恨みからの仮交際
「名前、何て言うの?」

「僕は佐藤遼。あなたは?」

「私?私は野中美里。じゃあこれから遼って呼ぶね。」

「へっ!?よ、呼び捨て!?」

目を丸くして前かがみになって
驚いてる…
しかも、赤面…
その反応には私でもびっくり…

「じゃ、じゃあ、僕はみ、『美里』…」

赤面の二重、初めて見たかも…

「ご、ごめん…。『美里ちゃん』でいい?」

顔をおさえながら言った。
また、赤面にならないでください…
こっちが照れます…

「ほんっっとごめん!僕、女子と付き合った経験なくて…下の名前で呼び合う女の子って幼馴染以外いなかったし…だから、まずは『ちゃん』付けでいい?」

「う、うん!ってか『美里ちゃん』…誰にも呼ばれたことの無い呼び方だからちょっと新鮮だな。割と気に入った!」

「本当?」

「うん!!」

ほんとは『美里ちゃん』って呼び方抵抗あるけど…
まぁいっか。
こっちが慣れればいいんだし。


「いいや。頑張って呼び捨てで言えるようにする…頑張るから…!だから、それまでちゃんづけでいいかな?」

心、読まれていたか…!
恐るべし、遼…!!

「気、使わせちゃってごめん…言えるようになるのいつでもいいよ。こっちも聞き慣れるように頑張るよ!」

「ごめん…。ありがと」ニコッ

笑顔初めて見た…

案外かわいいけど、目が笑ってない気がするのは…
なぜ?






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