いつか見る青
るりちゃんにそうお願いされたけど、言われなくてもぼくたちは最初からそのつもりだった。


ぼくたちだけ特別、っていうのがうれしいんだから。


それに、お習字教室に通ってるのは近所の子だけじゃなくて、そういう子は皆とは学校も別だしぼくたちとは遊ばずにお習字が終わったらすぐに帰っちゃうから、るりちゃんとはほとんどお話した事ないし。


あんまり仲良くない子にまでプレゼントをあげる必要なんかないよね。


るりちゃんが大変になっちゃうもん。


とおる君とはやと君はそれぞれ恐竜と、飛行機の形をしたマスコットをもらって、お習字の道具を入れるカバンに付けているんだけど、今回のプレゼントはハンカチにしたんだな。


なんか、大人の人へのプレゼントみたいで、カッコいいよね。


汗をかいた時とか手を洗った時とかに必ず使うものだから、すごく便利だし。


それに、使うたびにるりちゃんの事を思い出して、きっと楽しい気分になるハズだもん。


「ねぇねぇるりちゃん、俺も今年はハンカチが良いなー」
< 125 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop