いつか見る青
「あ、ホント?」
「うん。色は何でも良いけど、しゅんみたいに、アルファベットで名前を入れて欲しい」
「そっか、分かった。とおる君の誕生日は7月だよね?」
「うん、そうだよ」
「まだだいぶ先だけど、楽しみにしててね!じゃ、私、お買い物とお使いがあるから、行って来るね!」
とおる君の図々しいお願いに笑顔でそう答えると、るりちゃんはそのままクツをはいて玄関を飛び出して行ってしまった。
「あいかわらず元気だなー、るりちゃんは」
「ほんとほんと」
ぼくたちはるりちゃんの背中を見ながら、アハハ、と笑った。
……その時は全然気付いていなかったんだ。
とおる君はもちろん、ぼくたちも。
るりちゃんはそれまでウソなんかついたことなかったのに……。
結局、その約束は守られる事はなかった。
海や空と同じ、きれいな青色の布でつくられた、名前入りのハンカチ。
それがるりちゃんから送られた、最後の誕生日プレゼントになってしまったから……。
「うん。色は何でも良いけど、しゅんみたいに、アルファベットで名前を入れて欲しい」
「そっか、分かった。とおる君の誕生日は7月だよね?」
「うん、そうだよ」
「まだだいぶ先だけど、楽しみにしててね!じゃ、私、お買い物とお使いがあるから、行って来るね!」
とおる君の図々しいお願いに笑顔でそう答えると、るりちゃんはそのままクツをはいて玄関を飛び出して行ってしまった。
「あいかわらず元気だなー、るりちゃんは」
「ほんとほんと」
ぼくたちはるりちゃんの背中を見ながら、アハハ、と笑った。
……その時は全然気付いていなかったんだ。
とおる君はもちろん、ぼくたちも。
るりちゃんはそれまでウソなんかついたことなかったのに……。
結局、その約束は守られる事はなかった。
海や空と同じ、きれいな青色の布でつくられた、名前入りのハンカチ。
それがるりちゃんから送られた、最後の誕生日プレゼントになってしまったから……。