いつか見る青
駅前にある携帯ショップに到着し、笑顔で近付いて来た女性店員さんに案内されながら携帯を選ぶ事になった。


予想はついていた事だけど、携帯ってのはホント色々な種類があって、もう、何が何やらって感じだった。


「初めてお使いになる学生さんでしたら……」とか言いながら店員さんがいくつかオススメの機種をピックアップしてくれて、さらに神崎さんが細々とアドバイスをしてくれて、何とか自分に合う一台を選んで契約にまで漕ぎ着ける事ができた。


ちなみに神崎さんは私のフォローをしつつ、自分の機種変更の手続きもしていた。


すべての処理を終えて、店員さんに見送られながら車に乗り込んだ時には、2時を過ぎてしまっていた。


つまり、契約に2時間近くかかった事になる。


携帯買うのって、こんなに時間と労力がかかるものなんだ……。


ていうか、私の要領が悪いだけ?


ちょっぴり疲労困憊気味になりながら、私は隣でハンドルを握る神崎さんに視線を向けつつ礼を述べた。


「今日は付き合っていただいて、ありがとうございました。助かりました。私一人だったら、無事に買えなかったかもしれないです」
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