いつか見る青


「ち、ちょっと待った。展開が急過ぎて、何だか俺、頭が混乱してきた」


秀ちゃんが眉間にシワを寄せ、目をきつく閉じ、額に拳を添えながら呻いた。


せっかく出したコーラはさっきから手付かずのままだ。


汗をかきまくったコップが、テーブルの上に、結構な大きさの水たまりをこしらえている。


もう炭酸は抜けちゃっただろうな。


まぁ、無理もないけどね。


当事者の私でさえ、まだ状況を把握しきれていないのだから、いきなりこんな話をされたって、すぐには消化できないと思う。


神崎さんが訪ねて来た数日後、物理的にも精神的にも一段落着いた私は幼なじみの秀ちゃんと和ちゃんを家に呼び、事の次第を説明していた。


私達3人は、6歳の時からの付き合い。


秀ちゃんと和ちゃんは近くの住宅街に住んでいて、小学校一年の時同じクラスになってから意気投合し、高校生になった今も交流が続いている。


高校は別々になってしまったけど。


和ちゃんは私立だし、秀ちゃんは隣町の学校に電車通学している。


私は家から近い、県立高校に入学した。
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