いつか見る青
少しでも安定した職に就いて、お母ちゃんに楽させてやりたいと思ってたんだ。


……結局、働きづめのまま、逝かせてしまうことになったのだけれど。


向かいに座る秀ちゃんは、ようやく頭の整理がついたようで、瞼を開き、腕を降ろすと、姿勢を正し、改まった口調で問い掛けてきた。


「ようするに、あおいは、あのミヤマ文具店の社長の孫だったってこと?」


「うん……」


「そんで、そのじいさんが、数年前からおばさんとお前の行方を探していて、ようやく最近たどり着いたと」


「…うん」


「でも…何かそれって、すげー今更じゃないか?」


秀ちゃんはまたもや眉間にシワを寄せた。


「どうせなら、もっと早い段階で動き出せば良かったんだよ。そうすればおばさんだって体壊したりしなかっただろうし…。つーか、そもそも結婚の反対なんかしなければ良かったじゃねーか。この平成の時代に、身分違いもクソもねーだろ」


「ん~。でも、おじいちゃん達の気持ちも分かるんだ」


一方的に悪者にされるのは気の毒だったので、私はおじいちゃん達の弁護をした。
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