いつか見る青
だけど、何とかするって……。


お母さんが、一体何をするんだろう?


るりちゃんにお薬を届けてあげるってことかな?


それともお医者さんに連れて行ってあげるとか?


でも、るりちゃんはもう大人の人なんだから、自分の事は自分でできるんじゃないのかな。


頭の中でそういう風に考えたけれど、それをお母さんに言う事はぼくにはできなかった。


戸棚の前で、また考え込んでしまったお母さんに、あれこれしつこく聞いたりするのは何となくいけない事のような気がして。


その時、お母さんが何かつぶやいたけれど、あまりにも小さい声だったので、ぼくのいるソファーの所にまでは届かなかった。


そして今度は聞き返す事はしなかった。


だれかに聞かせるために言ったんじゃないみたいだったから。



「……一人で不安な思いをしてるかもしれない。早く確かめなくちゃ……」
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