いつか見る青
第五章



昨夜は民さんの胸で、尋常じゃなく泣きまくってしまった。


何とか気分が落ち着き、民さんにお礼とお詫びを述べて、お風呂に入って自室のベッドに滑り込んだ途端、気を失うように眠っていた。


ふいに目が覚め、昨夜のその出来事を思い出し、どんな酷い顔になっているかとビクビクしながら鏡台に近付いたけれど、『若干いつもよりも二重の幅が広くなってるかな?』程度の変化だったので、ホッと一安心。


「こすったらダメですよ」と言いながら、民さんが冷たいおしぼりで目元を冷やしてくれたお陰だと思う。


気分の方はもうすっかり、すっきり爽快になっていた。


朝のラジオ体操どころかフルマラソンまでできそうなポテンシャルの高さだった。


あくまでも精神的には、だけど。


運動はそんなに得意って訳じゃないし。


お母ちゃんの真似をしてよく木登りしてたから、それだけは結構上手に出来たし、その場面を目撃した人達には活発な子だと勘違いされたんだけど、あれは高い所が苦手じゃなくてコツさえ掴めれば誰でもすぐにマスターできてしまうものだったりする。
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