いつか見る青
そこでおじいちゃんは一瞬躊躇してから言葉を繋いだ。


「むしろ、今のうちに会いたい人には会わせておいて欲しい、というようなニュアンスだったらしいが……」


重い告白に、その場が静寂に包まれる。


「…それならばなおのこと、会わせて下さい」


その空気を打ち破るように、私は力強く言葉を発した。


思わぬタイミングではあったけれど、おばあちゃんに面会できるチャンスが巡って来たんだもん。


それを断る理由なんか、私には何一つない。


グズグズしてなんかいられない。


おばあちゃんにはもう、あまり時間がないのだから。


「そうか…」


「僕もご一緒してよろしいですか?」


すると未来君も会話に加わって来た。


「久々におばさんにご挨拶させていただきたいですし。お邪魔じゃなければ」


「いやいや、邪魔なんてとんでもない。そうか、そうしてくれるか」


おじいちゃんはホッとしたような笑みを浮かべつつ続けた。


「未来君が会いに来てくれたとなれば、家内もさぞかし喜ぶことだろう。では……」
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