いつか見る青
「…それでは、よろしくお願いいたします」

「僕も。おじさんがそれで良いのでしたら、喜んでお供しますよ」

「決まりだな。では、そんな訳ですので民さん」


頷いたあとおじいちゃんは、配膳を終え、ワゴンを部屋の端へと移動させてその傍らで待機していた民さんに視線を移しながら言葉を繋いだ。


「今日は我々3人の昼食は不要です。紫はどうするつもりなのかは知らんが…。まぁ、要るようだったら作ってやって下さい」

「はい。承知いたしました」

「じゃあまずは二人とも、食事を済ませてしまいなさい」

「そうですね。いただきます」

「いただきます」


おじいちゃんの促しに従い、未来君と私はそう唱えたあと箸を手に取り、目の前の朝食を食べ始めた。


思いの外、早くおばあちゃんに会える事になったな…。


緊張と不安で尋常じゃなく心臓がドキドキしている。


感動の対面、という風には、残念だけどきっとならないと思う。

紫さんのあの対応は、おばあちゃんの意思をそのままトレースしているのだろうから。

拒絶や非難の言葉を浴びせられるのは覚悟しておかなければならないだろう。


だけど…。


それでもやっぱり、私はおばあちゃんに会いたい。

一時でもお母ちゃんを可愛がってくれた人。

そしてお父ちゃんを通じて、私と同じ血が流れているその人に。

ただただ一目だけでも、会いたくてたまらない気持ちでいっぱいなんだ。
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