いつか見る青
「いや、そりゃ無理だろ」


和ちゃんの発言に、秀ちゃんがちょっとからかうような口調で反論する。


「お前の成績で、東京の大学なんか行ける訳ないじゃん」


「なっ!失礼なっ。東京ったって、大学のレベルはピンからキリまでなんだから!私が入れる所だって、あるかもしれないじゃんっ」


「入れりゃどこでも良いってか?バカだな~。学びたい事があるから大学に行くんじゃないのか?そんな考えで、わざわざ家から遠い、物価の高い土地にある大学に進むなんて、親不孝も良いとこだよな」


秀ちゃんの口調は淀みない。


「お前も、都会で遊びたいから大学行くクチ?そういうのって、ホント引くよな」


「…分かったわよ。もう、いじめないでよ…」



和ちゃんのげんなりした顔を見て、私は思わず笑ってしまった。


秀ちゃんの、人をやり込めるトークは天下一品だ。


やっぱりこの二人と一緒にいると楽しいな。


幼なじみって、良いよね。


……だけどこれからは、この二人のやりとりも、めったに見られなくなっちゃうんだな。



「でも、すごく心配だな」


和ちゃんは若干改まった口調になった。
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