いつか見る青
「おい、透君。先生が病気なのに、ラッキーはないだろ」


「あ、そ、そうか、ごめん」


とおる君はあわてて自分のりょう手で口を押さえた。


「しゅん君は、まだ５年生なのにしっかりしてるね」


るりちゃんが、ニコニコしながら言った。


「うん！しゅんはすごいよ！クラスの級長だもん」


「この前の算数のテスト、１００点だったんだよね？」


とおる君とゆかちゃんが、自分のことを自慢するみたいに言った。


だけどはやと君はつまらなそうな声を出す。


「だって、しゅん君のお父さんは大学の先生だもん。勉強ができて当たり前じゃん」


「隼人君、自分が勉強苦手だからって、いじけないの！それより、せっかくだから、これいただこうよ」


そう言いながらゆかちゃんがクッキーを小皿に分け始めた。


るりちゃんはみんなにココアを配る。


他のみんなはお客さん用のカップだけどぼくのだけデザインの違う、持つところが大きいカップなんだ。


一人だけとくべつな感じで、すごく嬉しくなって｢ありがとう｣ってニコッとしながら言ったら、るりちゃんもニコッとしてくれた。


るりちゃんはこのお家で「お手伝いさん」をしている。
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