いつか見る青
働いているんだから大人の人のはずなんだけど、あんまり大人の人って感じがしない。


ゆかちゃんと、そんなに背の高さが変わらないし。


……ゆかちゃんが普通の女の子より大きいのかな?


それにやさしいし、笑うとすごくかわいいし、ぼくのこといつもほめてくれるし、ほんと大好き。


お嫁さんにするなら、るりちゃんみたいな女の子が良いな。


とおる君がすごい早さでクッキーを食べてむせた。


ゆかちゃんがとおる君の背中をさすりながら「もー、がっつくからだよ!」っておこってる。


それを見てぼくは笑った。


るりちゃんも笑った。


やっぱりかわいいな。


とっても楽しくて、幸せな気分。


こんな日が、ずっとずっと続けば良いのにな。


外はすごく寒いけど、るりちゃんのいるその場所はとても居心地がよかった。


ストーブがついてるからだとか、ホットココアを飲んだからだとか、そんなんじゃないよ。


るりちゃんはきっと、周りを幸せにするまほうが使えるんだと思う。


どうかこれからもずっとるりちゃんが、このお家にいてくれますように。


ぼくは心の中でつぶやきながら、クッキーに「かぷっ」とかじりついた。
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