いつか見る青
「ところで葵さんは、ミヤマ文具店でお買い物をしたことはありますか?」


「もちろんです!と言いますか、私も友達も、文具店といったらミヤマ文具店が真っ先に思い浮かぶくらいです」


私の住んでる街は、東京の人から見ればとんでもなく田舎だろうけど、それでも一応デパートと呼べる代物はある。


ミヤマ文具店はその中に入っているお店で、地元の人達にとても重宝がられていた。


学校とか会社で使うような普通の文房具はもちろん、外国製のお洒落なデザインの文房具とか可愛いキャラクターグッズとかも売っていて、ギフトショップ的な役割も果たしていたのだ。


垢抜けない田舎の人達にとっては、そういうお店はとってもありがたい。


文房具というのはあらゆるシーンの贈り物として最適だし、しかも目ん玉が飛び出るほど高価な物という訳ではない。


実用的で、お洒落で、お値段もそこそこで、贈る側にとっても受け取る側にとっても変なプレッシャーがかからずに済むアイテムなのだ。


私もあそこにはとてもお世話になった。


なぜなら私の暇つぶしの場所といったらミヤマ文具店だったから。
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