お見合い学園物語

妖精と部屋に戻ると、
妖精の為の本を棚に置き、棚は瞬く間に“住み家”に変わる。

「あっあのぉ〜ニ‐ナだったよねっ」

私は、住み家に夢中の妖精に話し掛ける。


「何？」

ムスっとした、
近寄りがたい性格の妖精が、
私の声に気付き、
返事を返してきた。

「ニ‐ナの説明を聞きたいんだけど…ﾀﾞﾒかな？
忙しいよね…」

ニ‐ナは回れ右をし、
時計を指差す。

「あの時計が、
18時になったら
それ迄、時間ちょ〜だい」

「18時ねっ…わかった」

時間にきっちりした、
ニ‐ナの性格…私は、
従う他、無いと自分の場所の整理をした。

カチカチカチカチ、
時計の針を気にしつつ、
時間になるのを、待った。