僕と鍵とお姫様
再び黙ってしまった僕に、先輩は、
「掃除だよ、部室の掃除。部長を驚かそうと思って!」
それで見つかりたくなかったから、鍵掛けてたの。と付け加えた。
『そうだったんですか、じゃあ、偽物の鍵も先輩が?』
「ああ、あれね。今持ってる?」
『はい、今渡しますね。』
と言ってポケットに手を入れようとしたが、
「あげるよ、その鍵。」
と言う、レナ先輩の声に止められた。
『?、この鍵ってなんの鍵なんですか?』
「それはお楽しみ、毎日、肌身離さず持っててね。」
『…?はい、じゃあ、持ってます。』
(…何なんだろう、)
「はい、部室の鍵!明日の体育、陸上なんでしょ?じゃ、鍵返しといてね!また明日ー。」
と、早口に言うと、僕に“さよなら”っ返させる暇も与えず、すぐに帰ってしまった。
「掃除だよ、部室の掃除。部長を驚かそうと思って!」
それで見つかりたくなかったから、鍵掛けてたの。と付け加えた。
『そうだったんですか、じゃあ、偽物の鍵も先輩が?』
「ああ、あれね。今持ってる?」
『はい、今渡しますね。』
と言ってポケットに手を入れようとしたが、
「あげるよ、その鍵。」
と言う、レナ先輩の声に止められた。
『?、この鍵ってなんの鍵なんですか?』
「それはお楽しみ、毎日、肌身離さず持っててね。」
『…?はい、じゃあ、持ってます。』
(…何なんだろう、)
「はい、部室の鍵!明日の体育、陸上なんでしょ?じゃ、鍵返しといてね!また明日ー。」
と、早口に言うと、僕に“さよなら”っ返させる暇も与えず、すぐに帰ってしまった。