僕と鍵とお姫様
「じゃあ、ハグとアプルは施錠よろしくー。」


“ハグ”と言うのは部活内での僕のあだ名。


うちの部活では、名前とは全然関係のない名前が与えられる。


『はい、お疲れ様でした!』


そう言えば、部長は“元気でよろしい、また明日!”と言って帰っていった。


他の先輩たちはもう帰っていて、残っているのは僕と“アプル”こと林護-ハヤシ マモル-。


護は中学時代の友人。
なんでアプルかと言えば、見てのとおり、“林護→林檎→Apple→アプル”という、単純な理由。(僕のは難し過ぎて忘れてしまったので省略!)


「俺らもそろそろ帰ろうぜ。」


『じゃあ僕、鍵置いてくるよ。』


そう言ってから部室に鍵を掛け、体育準備へ鍵を返して帰宅する。


しつこいようだが、これが僕の日常。


そして、明日もその次の日も、勿論今日だって、そんな、ごく普通な毎日が続くと思っていたんだ。




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