××倶楽部

 スタッフルームに入ってきた女の人は、背中まであるさらさらストレートヘアーを揺らしながら外人さんみたいな豊満なボディを強調するかのようなピタリとしたワンピースを着て、十センチ以上ありそうなヒールの靴をかつかつ鳴らしながら社長に抱きついた。



「リオさん、おはようございまっ……」



 リオさんと呼ばれた、そのグラマラス美女は私の存在なんて無視して、しかも、社長の挨拶途中で社長にキスをしはじめた。


 ちゅ、ちゅ、ちゅ、と目の前で繰り返される、そのキスに開いた口も塞がらなければ、目も塞がらなかった。



「リオさん、舌は入れないでください」


「なによ、ケチ。可愛くないわねっ」


 リオさんは、キスをやめて今度は、聖夜、聖夜愛してるわ、と社長のスーツに抱きついた。


 ああ、恋人かな……?



 すごい熱々ぶりですね…………。






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