××倶楽部

「熱くなんなよ、うるせぇな。ハヅキは俺の女なんだよ、どうこうしようと勝手だろ?」


 ハヅキ様は、マサキ……と声を震わせた。マーベラスではあまり目立たないタイプの女王様だったけど、マサキさんを見つめる目は完全に恋しちゃってる。


 私も社長を見つめる時はあんな顔をしてるのかなぁ。



「でも、ハヅキ様。社長はすごく心配してたんですよ。私も心配でしたし、リオ様も心配してました。一度、皆さんにお話されたほうがいいと思います」


 おずおずと発言するとハヅキ様は、困ったような顔をしてマサキさんの怒りの矛先は、何だてめぇ、と私に向いた。



「ひぇ、す、すみません……でも、ハヅキ様ぁ」



「わかりました」


 社長は何がわかったのか、手をパンと叩いて立ち上がるとスーツの内ポケットに手を突っ込む。


「このままここで言い合いしていても仕方がないですし、オーナーのことだから後で営業妨害だなんだとイチャモンつけてきそうですし、ここは一番手っ取り早い解決をしましょう。買います。この二人、いくらですか?」



 か、買います?


 って人身売買ですか? 






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