××倶楽部

 一つ一つ覚えたての仕事をこなしていく。わからないところは質問すると、『キス禁止』とらくがきされたマスクをつけた社長は、丁寧に教えてくれる。


 視線がぶつかり、指先が触れて幸せ。やっぱり社長が好き。


 昨日のあれは、何だったんだろう……幼なじみって近すぎて、難しい。それは社長とリオ様もおなじことが言えるんだけど……



「あー! 町田さん! そこ違う違う!」


「え? あ、はい。すみません!」


 ヤバい、入力ミスしてる。社長が見ててくれたからよかったけど、危ない。


「仕事は慣れてきた頃が一番気をつけなきゃいけないんですよ」


「はい……ぼーっとしてました。ごめんなさい」


 典がいたら、だから芽依は、と言ってきそうだ。

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