××倶楽部

 私にできるのは、せめて誰にも負けないくらい社長を好きになること。だけど、好きになればなるほど、この恒例行事が辛いという悪循環。

 まさにドツボだ。


「はよー」


「あ、リオ様、ミーナ様おはようございます!」


 私と入れ違いでリオ様とミーナ様がご出勤された。この二人が揃うと、オーラが半端ない。

 ミーナ様はスミレ様に、どけ、とか、触るな、とか言っている。毎日の賑やかなスタッフルーム。


 そこから逃げ出すように裏口のトイレに逃げ込んだ。トイレにはカレンダーがかかっていて、誰がらくがきしたのか知らないけど次のマーベラスの定休日に赤いハートマークがついている。



 社長とデートの約束をした日。あと五日────




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