××倶楽部

 しかも、なんの縁なのか、このラブホテルはSM専門ホテルらしい。

 わざと古めかしく作られた部屋は、牢屋の中みたいな造りで、暗くて、怪しいグッズが備えつけられている。


「あ、これミーナ様が使ってる鞭と同じやつですねー」


 私が鞭を振り回しても、ミーナ様みたいなしなやかな音が出ない。社長は、お風呂にお湯いれてきます、とバスルームに消えた。


 社長の姿が完全に見えなくなったのを確認してから、平常心決壊。




 ど、ど、どうしよう!!!!



 平気なふりしてみたけどっ! 大変なことになっちゃった!!!



 黒い皮の鞭を握りしめて、その場にくたりと座り込む。


 まさか、今日こんなことになるなんて!


 いや、でもデートだし、一応心構えはして一番可愛いパンツ履いてきたんだけど…………鏡にうつる、真っ白なベッド。


 ここで、この前、典がしてきたみたいなことを社長が私にするの?


 ない! ありえない! 恥ずかしすぎて、しんぢゃうよ!



 ど、どうしようっ!



 どうしよう、どうしよう、どうしよう!



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