××倶楽部
「み、見ないでください……」
抜け出せない……! お尻がおおきいから? 嫌ぁ、一番見られたくないかっこうだよ。せっかく社長と付き合えることになったのにこれじゃ嫌われちゃう!
「め、芽依……」
「すみません、このブランコ不良品みたいですね……壊れてるのかな? 出られなくて」
メガネのない社長がごくりと喉をならす。
「それは、そういうものなんですよ。主に、女性を責める時に使います。本当は、裸
で吊されるんですよ? その足を開いた状態で」
「社長っ!」
そんな淡々と冷静に説明しないでくださいっ!
「せっかくだから使ってみましょうか?」
「えっ? えーっ?」
「大人しくしていてくださいね。暴れると痛いですよ」
ブランコにはベルトのバックルみたいなものが何カ所かついていて、社長は慣れた手つきで私の腰と足を固定した。
両手は後ろ手に手錠をかけられてしまい、身動きができない。
素早すぎて何が起きたか理解できないでいると、ブランコが揺れる。
「嫌ぁ、こわい」
床すれすれで動くし、金具がガチャガチャと不安定な音を出す。落ちそうで落ちない。味わったことのない恐怖に背中がゾクリとした。
「昔を思い出しませんか? 小さい頃、こうやって遊んだでしょう? 僕もブランコは大好きでした」
優しいのに何を考えている社長に、またゾクリとする。
ゾクリ、ゾクリと自分が何かに追いつめられていく。
「お、おろしてください……」
「そうですか、わかりました」
そのまま優しく社長に抱きしめられて、恐怖は安堵にかわる。