××倶楽部

「今おろしてあげますね。服を着たままじゃ、色んな意味で残酷ですし」


 優しく微笑まれる。それだけで涙が出ちゃいそうになる。社長は、いつでも優しい。


「恥ずかしいかっこうでしたね。大丈夫ですか?」


「あ、はい。すみません。おっちょこちょいで。あー恥ずかしかった」


 そこが可愛いですよ、とベッドにおろされた。


「あの社長……この手錠は……」


「しばらく、そのままでいてください」


「え、あっ…………」


 お互い濡れた服のまま、ベッドに倒れ込む。冷えた唇と唇が暖めあうかのように重なる。

 優しい唇、だけどいつもと少し違うキス。


「スイッチ……いれちゃいましたね」


「え? なんの?」



 私の腰に巻いていたベルトを外すと、社長は白い歯を見せて笑った。



「ええ、色々と」





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