××倶楽部
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──────「ほら、聖夜。もっと大きい口開けろよ。これが欲しいんだろう? ミーナ様くださいって言え」
「ミーナ様ください……てか、僕もう満足ですよ」
お母さんごめんなさい。私、この光景を見慣れてしまう日がくるのが、なんとく怖いんですけどっ!
「あ、町田さん、おはようございます」
社長は、ボンデージ(女王様の下着、ていうことを昨日知った)姿のミーナさんを膝の上にのせて、椅子に座り、手は後ろでガムテープで拘束されている。その状態のまま律儀に挨拶をしてくる。
「なんだよ、もう来たのかよ! 聖夜! 邪魔な女、雇うんじゃねーよ!」
怒りをあらわにしたミーナさんは、またがっていた社長の上で足をばたつかせる。社長が、「いたっ、痛い!」と身を捩らせた。
「ミーナさん、もう杏仁豆腐はいりませんからそこどいて僕にも仕事をさせてくれませんか?」
「はあ? せっかくデートしてたのに、あたしより仕事がいいって言うのかよっ!」
「はいはい、デートしてくれてありがとうございました。ミーナさんに最高に似合う下着も買えましたし、それにその杏仁豆腐はミーナさんが好きだって言うから、僕がミーナさんにプレゼントしたものです。
ミーナさんに食べて欲しくて買ったんですよ。それ食べて、大人しく僕に仕事させてくださいませんか?」