××倶楽部
「お任せですか……」
自由になれて、はじめて社長とぴったりと抱き合える。
ホテルに入ってから、はじめて向かいあってのキス。唇を隙間なく埋め尽くされて、舌と舌がからまり、唾液も吐息も呑み込まれていく。
社長がシャツを脱ぎ捨てると、綺麗に鍛えられた胸筋と予想外に逞しい腕に翻弄されて目眩がする。
「じゃあ、芽依の体の準備は僕のこの指と舌で責任もって丹念にさせてもらいますね?」
「言わないで…………」
「言いたくなるんですよ、芽依がいちいち真っ赤になって恥ずかしがるから」
「……っああぁ!」
何なんだろう。
この気持ち良さは。
「芽依は、過敏症ですね」
「それって、へ、変なことですかぁ?」
「いえ、僕にとっては大変好ましい症状ですよ」
下着を剥ぎ取られたことにも気がつかないくらい私は社長の刺激に夢中になる。
明かりもつけたままの部屋で……
「芽依、素敵です……肌が汗ばんで、止まらない快楽に呼吸が苦しそうで、切なそうに僕を見ている」
言わないで…………自分が自分じゃなくなるから。
「もっと乱れて、ほら、こんなに濡れてきた」
社長の吐息が耳を刺激する。社長も私を感じてくれる?
私を支配するその体全部で……
社長も私と同じくらい気持ちよくなっていてくれる?