××倶楽部

「本物のサディストてやつはね…………苦痛を与えるだけじゃなくて、相手の望むものを全て与えやる存在にならなきゃいけない、ってのが僕の信念です。

 それには愛情と信頼が不可欠です。愛しているから、信じているから僕はサディストの素顔を見せられる」





 愛しているから、信じているから。




 焼けるような痛みに、目に涙が浮かぶ。




「まだ出会って間もないのに…………本当の僕を引き出してくれてありがとうございます」



 お礼を言いたいのは私のほうだ。



「……っんんん!」


「痛い? ですよね……でも、芽依のその顔ヤバすぎて我慢できそうにない…………」



 お腹の奥深くに感じる社長のサディストな一面と、不思議な魅力。引き寄せられて、また離れていって、でも私が欲しいことをしてくれる。


 体が弓形にそりあがると、そっと力強く抱きしめられて………意識を手放しそうになると甘いキスで私を引き止める。



「……あ、あんっああ」



 私、社長としてる。



 あのカッコよくて皆に愛されてる社長が私の中で、眉をしかめて切なそうにため息をつく。


 この人がはじめての人。


 キスも全部。ずっと手放せなかったものを全部さらっていった人。



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