××倶楽部

 リオ様のお部屋は、マーベラスの中でも特別広くてゴージャスだ。

 真っ赤なカーテンをくぐって、座りなさい、と九十度に角張った木の椅子を指さされた。

 嫌です、とか言えないし……おずおずと椅子に腰かける。



「芽依ちゃん、あなたなんてことしてくれるの? 聖夜は私のものって言ったわよね?」



 リオ様が目を鋭く光らせて冷たく睨みつけてきた。全身の皮膚にゾワワワ……と鳥肌がたち、背筋がぞくぞくする。



 迫力が凄すぎる………


「……ごめんなさい、リオ様ぁ」



 リオ様は、十センチ以上ありそうなピンヒールで床をカツカツとならして歩き、手には黒い皮の鞭を持つと、それをピンと張った。


「謝ってすむわけないでしょ!」



 パシン、としなって床に打ちつけられた鞭に、ひゃっとお尻が浮いた。




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