××倶楽部

 デートまで五日間もあったのに、私は自分が社長に誘われたことだけに舞い上がって、他のこと考えてなかった。


 どんなことをお喋りしようとか、何を着てこうとか、そんなことしか考えてなかった。


 楽しみで……はじめてのデートだったし……社長が自分のことをどう想ってくれるかとか…………またキスしてくれるかとか…………


 自分のことで頭がいっぱいだった。



「……っうう」



 社長と結ばれて、デートの後も私は自分のことしか考えてなかった。

 おまけに典のことでも頭がいっぱいだ。

 リオ様に叱られて当然だ。女王様たちへの配慮が足らなかったんだ。


「泣けるって可愛いけど卑怯よね。私がすっかり悪者だもの。

 私、べつに芽依ちゃんをその椅子に拘束しているわけじゃないでしょ。聞きたくないなら出ていけばいいじゃない? なんで泣くのよ」


 リオ様の言いたいことはごもっともだ。

 私は、ちゃんと説明しなきゃいけない……泣いてるだけなんて卑怯。





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