××倶楽部

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「えっ……えっ……えええ、
SM倶楽部ーっ!!???」



 私の大絶叫に、社長はずり落ちた黒縁メガネを指でくいっと戻して、人の良さそうな優しい口調で、まあまあ、と言った。


「SM倶楽部と言っても、うちは風営法の届け出もしていますし、完全会員制の高級クラブだと思ってください。健全ですよ」


「え、エスエムに健全とか不健全とかあるんですかーっ?」


 社長のメガネがまたずり落ちた。肩で、はあはあと呼吸する私に両手のジェスチャーをくわえて、まあまあ、落ち着いて、と柔らかくなだめてくる。


 この善人みたいな甘いマスクのメガネ男に私は完全に騙されたんだ……

 就職難だから……飲食店社長を名乗ったから、完全に騙された!



「ほら、でも、面接の時にお話したように町田さんには接客をしてもらうことは絶対にありませんから」


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