××倶楽部
12
────「あのぅ……ミーナ様ぁ」
「なんだよ、ちんたら走るな! もっと気合い入れてこげっ!」
「ひゃっ! 危ないですから、後ろから蹴らないでくださいぃ!」
自転車の荷台にミーナ様をのせて、重いペダルを漕ぐ。
リオ様の提案で、私と社長が付き合っているという事実はリオ様とミーナ様との四人の秘密になってしまった。
いつも通りのマーベラスで、私は自分の彼が他の女の人に無理矢理キスされているのをじっとたえるしかなかったのだ。
それは、社長の気持ちを聞く前より遥かに辛い現実で、一応拒否しようと努力してくれている社長を見るのも辛すぎた。
女王様たち皆に発表できたなら、キスくらいは遠慮してくれるようになったかもしれないけど、そうすると、リオ様が言うように本当に皆さんマーベラスを辞めちゃうんだろうか?
うーん……それよりも……
「あのぅ、ミーナ様。本当にうちにお泊まりするつもりですか?」
「するに決まってるだろ! 今日からリオと二人で交互に監視する。ちゃんと別れるまで続けるからな」
「別れるって……私たち昨日付き合いだしたばかりなんですけどっ!」
「別れろ」
うわぁーん!! 私生活まで監視されるなんて!!