××倶楽部
待ってよ、待ってよ……ていうことは、ミーナ様結婚してるってこと?
「じゃあ、ミーナ様には旦那様が?」
「芽依、言ってなかったっけ。あたし、十五でシングルマザーになった。だから、女王様やってんだよ。時間に自由がきくし、給料いいから。水商売やってる奴なんて、だいたいが色んな理由抱えてんだよ」
「そうなんですか…………」
私失礼なこと聞いちゃったのかな。何やら複雑そうな話だ。
「ユーナちゃんは、お留守番ですか? ミーナ先輩」
「今日は父親の家いってんだよ」と言ったミーナ様の表情は少し影をさした顔で、だけどすぐにいつものミーナ様に戻りハヤシライスを食べてる典に視線がロックオンした。
「あたしの話はどうでもいいんだよ。今日はこの男と芽依をくっつけるために早退してきたんだからな。今日は予約もなかったし」
「ミーナ様っ! 私、社長と付き合ってんるんですってば! 典とは、本当になんでもないんです!」
雫さんは、コントでも見てるかのようにクスクス笑ってる。
「くっつけるとか余計なお世話だっての、芽依ビール」