××倶楽部
ハヤシライスをすごい勢いで食べて、さらにビールを飲もうとする典を無視してミーナ様に詰め寄る。
「ほら、余計なお世話ですってば、私と典はただの幼なじみですし、全然そんなんじゃありません。だから……あの……ミーナ様、社長に典のことは……ぎゃっ!」
典が私の肩に手をまわして、急に抱き寄せるから私は典の膝の上に着地してしまう。
「余計なお世話ってのはそういう意味じゃなくて、もう芽依は半分くらい俺に堕ちてんだよ、って意味。な? 芽依」
頬に典の唇が触れて、背筋にぞくっと電流が走る。
「ばっ! ばか、典! な、な、何してんの?」
「顔赤いんだよ、動揺しすぎだろ。迷ってんだろ? 社長にするか、俺にするか」
「ま、迷ってなんか……」
迷ってなんか……多分、ない。
どうしちゃったんだろう? なんか最近典が急に積極的になってる。
普段なら、こんなことふざけてもしないのに!
「ナイス幼なじみ、おまえがいてよかったよ。今日は来たかいがあった」
「おまえにおまえとか言われたくねーんだよ! 女のくせに口悪すぎ」
「うっせーな! これは職業病だ、アホ!」
「アホにアホとか言われたくねーんだよ!」
「アホにアホって言われたアホ!」
ああ、やっぱり相性悪い。
「ねえ、芽依ちゃん」
言い争いをはじめたミーナ様と典はほっといて、雫さんの話を聞く。
「最初に私がこの家に来たとき、典くんは芽依ちゃんのフィアンセだってアキさんが説明してましたよ? だから、私てっきりそうだと信じてたけど、違うんですか?」