××倶楽部

13


────「うー、頭いてぇ……」


 一般企業に勤めてるお兄ちゃんと典は、二日酔いの中ふらふらと出勤準備をはじめた。


「おまえのせいで散々だ……」


 典の恨みがましい視線の先には、涼しい顔して朝食のバナナをかじるミーナ様。


「二日酔いとかダッセー」

「うるせー、水商売女と同じじゃねーんだよ」


「ちょっと! 典、そんな言い方……」


「いーよ芽依。本当のことだし、そんなこと言われたくらいじゃいちいち傷つかないね。へたれ男。だから芽依を聖夜にとられたんだろ」

「はぁああ? なんだテメェ喧嘩うってんのかよ! そっちこそ、そのクリスマスみたいな名前の男とずっと一緒にいて芽依にとられたんだろーが!」


 お兄ちゃんがバンっとテーブルを叩いた。


「黙れ、頭ガンガンしてんだよ」


 すごみをきかせた低い声からは、二日酔いの凄まじさを理解させるような威厳がある。

 大人しくなった典とミーナ様……雫さんがクスクスと笑ってる。






 
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