××倶楽部

「ミーナ先輩、かっこよすぎですよね」

 雫さんは両手を合わせて頬の横で組むと、はあ、とため息を吐き出した。


「あ、そういえば雫さん! 私がSM倶楽部で事務の仕事してるってことは、お母さんには内緒なの! 黙っていてもらってもいいですか? 他の仕事も探そうか悩んだけど……」


「内緒ですか? 私と芽依ちゃんの秘密ですね! それで、ミーナ先輩から聞きましたけど、社長に恋をしちゃったとか? 典くんみたいな素敵な彼がいて、もっと素敵な人ってことですか?」


 きゃっ、と声をあげて顔を赤くさせた雫さんは、やっぱり高校生くらいの女の子にしか見えない。

 こうやって二人だけで話すのにも、ようやく慣れてきた。私のお姉さんになる人だもん。仲良くなりたいし、嫌われたくない。



「いやだから、典はただの幼なじみで、私は社長に恋しちゃったんですけど……女王様たちに反対されてるみたいなんです。うちの社長、みんなに優しい素敵な人だから」


 雫さんは、うんうん、と小さく頷いた。


「昨日、ミーナ先輩もそう言ってましたね。どんな素敵な人なんでしょう。会ってみたいです……あ! もちろん私にはアキさんという方がいるので、興味があるだけですよ」




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